瓦礫の中から道を探す

来る日も来る日も岩を押して山を登っていくシジフォスは、あまりにも不条理な人生に直面し、希望もなく、ただ情熱を持って対処しているという、ある種の悲劇です。 カミュにとっては、石を押して丘を登るという行為だけで、心が満たされるのです。

私たちの生活に戻ると、そのようなジレンマがあまりにも多くあります。 大人になると、延々と続く宿題や暗記物に直面するので、大学を楽しみにし、大学の後は仕事を楽しみにし、仕事の後は家庭を持つことを楽しみにし、家庭を持った後は、子供がすくすくと成長して成功することを楽しみにしている。...... 未来を楽しみにしていると、今この瞬間の意味を見失ってしまう。 未来にばかり目を向けていると、今この瞬間の意味がわからなくなり、モヤモヤした日々を過ごし、ある朝や昼に突然、生きる意味がわからなくなってしまう。

シシフェウスの物語は、人生の意味は、今この瞬間に積極的に行動し、不本意ながらも生きていくことであり、それが不条理に対抗する最良の方法であることを教えてくれます。 シジフェの神話を読むと、幼い頃の母親の口うるささ、大人になってからの延々と続く課題、大人になってからの組立ラインでの退屈な仕事などが、新しい意味を持つようになるはずです。

独身の人には悩みがあり、家庭を持っている人には悩みがあり、キャリアを積んでいる人には悩みがあり、住宅ローンや車の購入に苦労している人には喜びがあります。どのような状態であっても、シジフォスのように今この瞬間に身を捧げ、退屈の中に意味を見出すべきです。 人生の意味は、未来への希望や思い出ではなく、自分が経験している人生そのものにあります。

たとえ人生のどん底にいたとしても、瓦礫の外ではなく、瓦礫の中で道を探してみてください。 シシフェウスのように、運命を変えられないのであれば、それを受け入れ、そして大胆に抵抗して、人生のあらゆる試練を笑い飛ばしてください。 私たちが試練を軽蔑的に見ていると、試練の重みも破壊力もなくなってしまいます。 試練をその罰としてではなく、自分の人生としてとらえるとき、人生には永遠の意味があるのです。

また、『心の旅』には、「最も非凡なことは、普通の人生をしっかりと生きることだ」というセリフがあります。 カミュは、不条理の中に意味を見出すこと、人生そのものに意味を見出すことは、最も非凡なことであると説いています。